個展「葉っぱのプリズム」にご来場頂きました皆様、誠にありがとうございました。
このような状況の中でも多くの方にご来場頂き、大変嬉しい時間が過ごせました。
展示を終えて感じた事・考えた事を振り返ってみたいと思います。
まず、今回の個展は本来2020年5月開催予定でしたが、緊急事態宣言発出により延期を余儀なくされ、10月の開催となりました。
多くのイベントが中止となる中でも延期という形できちんと開催させて下さり、会場の「はいいろオオカミ+花屋西別府商店」さんにはとても良くして頂きました。
また、冒頭にも書きましたがコロナウイルス感染拡大が終息しない中、観に来て下さった方にも本当に感謝しております。
この場をお借りして御礼申し上げます。
多くの方に実際の作品をご覧頂ける事、会場でお客様とお話しできる事がとてもありがたい機会なのだと改めて実感しました。
また、展示が延期となり5ヶ月の空白期間が出来たので、その間にできた事もありました。
会場のオーナーさんからの提案を受けてのコラボ商品共同制作です。
「小さなプリズム」と名付けたこの作品は、オーナーさんが作った「鏡が入っている箱」に、自分の絵をセットした物です。
箱を開くと自分の絵が鏡に写り、図像がダブルイメージに。
絵画とは開かれた窓である。とは昔から言われていますが、「窓に見立てたフレームから見える虚像=絵画」が鏡に写る事で、さらなる虚像としてもうひとつ複製される。という構造はとても面白いと思います。
また、多くの場合触れる事を禁じられている絵画作品が、箱に入っているので直接持つ事ができるというのも、絵画の在り方として大変気に入りました。
自分だけの考えでは、このような作品を作ろうとは思わなかったので、今回このコラボ商品を制作できとても良かったです。
その他、箱以外の絵画作品もお花や古道具が並べられた会場の様子に合わせてモチーフを選び、場の雰囲気と合うように意識して作品制作を行いました。
実際に作品を配置してみても、お店の雰囲気と調和していて、狙った事が実現できたのではないかと思います。
一方で、展示が終わった今振り返ってみると、そんなになじんでしまって良いのかという考えも同時に浮かんできています。
会場のお店に並べられたお花や古道具と自分の作品は、もっと商品VSファインアートとして対立して見えても良かったのではないかとも感じています。
調和が取れすぎる事で、自分の作品がお店のインテリアとなり、作品の主張が弱く見えてしまうような事態が起きていたのかも知れない。ある程度商品と作品との摩擦が起きても良かったのではないか。そこから生まれてくる新たな作品の見え方やお店の空間の変化という事もあったのではないかという反省も生まれました。
今回狙った「会場の雰囲気に合わせた作品制作」は、一定の効果を上げられたと考えていますが、自分の作品の主張と展示空間への意識、そのバランスや調和については今後も改善が必要と感じました。
とはいえ、今回の反省もやってみなければ分からなかったので、展示の度にあっちに振れたりこっちに振れたりしながら、その度に考え、そこからまた新たな良いものが生まれるよう1つずつ作品を積み上げていこうと思います。