先日ブログにアップしたオーダー品「ハオルチア 十二の巻」の制作過程を紹介します。
今回は「モチーフが植物」という指定以外全てお任せだったので、エスキース(下絵)は作成していません。全てお任せのオーダーはなかなか無いので気合が入りました。
気に入ってもらえるような作品を意識しつつ、お客様にしか分からないようなちょっとした仕掛けも入れて遊び心を忍ばせました。
画材は紙に色鉛筆とペンで制作しています。
それでは、以下各工程の詳細です。
①下描き
お客様が育てている多肉植物「ハオルチア 十二の巻」をモチーフにしました。
お客様が育てている多肉植物「ハオルチア 十二の巻」をモチーフにしました。
今回描いてみて初めて知ったのですが、かっこいい名前ですね。
白い斑点模様が特徴なので、そこを塗り残して綺麗に白を表現できるよう、下描きは細かい所まで描き込みました。
②ペン入れと色鉛筆で下描き
多肉植物と右下のマークは色鉛筆、鉢はペン+色鉛筆、背景はペンのみと描き分けていくので、多肉の部分は色鉛筆で線描きし、それ以外はペンで線描きしていきます。
③描写1
多肉部分に緑で陰影を軽く描写しながら、白い斑点模様を浮き出させていきます。
多肉植物と右下のマークは色鉛筆、鉢はペン+色鉛筆、背景はペンのみと描き分けていくので、多肉の部分は色鉛筆で線描きし、それ以外はペンで線描きしていきます。
多肉部分に緑で陰影を軽く描写しながら、白い斑点模様を浮き出させていきます。
鉢もペンを重ねながら模様を出していき、床の影と映り込みも薄く描き始めました。
今回は、ペンのモノクロと対比させて、緑をなるべく鮮やかに描きたかったので、補色の使用は最低限に抑えています。葉が重なり合っている所は青で少しだけ陰をつけました。
ペンは、背景も含めひたすら線を重ねてハッチングしていきます。
とりあえず、ひと通り全体に手が入ったところです。
多肉の緑が綺麗に見えるグレートーンはどのくらいの濃さか探りながら、ハッチングを重ねて行きます。
ペンはさらにハッチングを進めながら、鉢のグレー模様の部分には銀の色鉛筆を重ねていきます。
また、ここまで描き終わった時点で、一度全体にテレピンを染み込ませました。
ペン部分はテレピンをつけても効果は無いので、色鉛筆で描いたところだけにテレピンをつけても良いのですが、テレピンがついてない所との境目に染みができる事もまれにあるので、念のため全体につけています。
⑦描写5
多肉部分は、テレピンで色が薄くなったところや不明瞭になった部分を整えます。
多肉部分は、テレピンで色が薄くなったところや不明瞭になった部分を整えます。
ペンは最後にもう一度重ねてグレートーンを濃くしました。また、鉢の影は境目がシャープになり過ぎていたので、ぼかします。
⑧微調整
全体のバランスを確認し、葉の色が濃い部分に青+緑を加え、白い葉の部分は水色+ピンク+薄い緑で陰を薄く描きました。
最後にペンのグレートーンが綺麗に繋がっていない所を微調整して完成です!
いかがだったでしょうか?
ペンと色鉛筆を併用する技法の参考になりましたら幸いです。
色鉛筆の色を明るく綺麗に見せたい時に、ペンの強い黒を持ってくるというのは、なかなか有効なのではと思っています。
また、おまけとしてもう少し細かく工程を刻んだコマ撮り動画も作りましたので、よろしければこちらも是非ご覧下さい。