2023/07/22

オーダー品制作過程紹介「サンタ マリア デル フィオーレ大聖堂」

先日ブログにアップしたオーダー品「サンタ マリア デル フィオーレ大聖堂」の制作過程を紹介します。

今回はお客様からのご指定が「透明水彩と色鉛筆で描いて欲しい」というものだったので、透明水彩でベースを作り、その後色鉛筆で描き込んでいくという方法で制作しました。

それでは、以下各工程の詳細です。

①エスキース
全体の構図や色合いなどを確認するために制作しました。
この時点でお客様より「あまりカラフルにならないようにして欲しい」との要望を頂きましたので、本制作に反映させていきます。


②下描き
大聖堂全体のパースを確認していきながら形を描いていきます。
私は結構パースが苦手なので、補助線を使いながらパースがずれないように気を付けました。
その後広場の馬車や人の配置を決めていきました。



③水彩描き始め
大まかな明暗が出るようにざっくり陰影を描写していきます。
陰色は灰色ではなく、色味のある緑や青を使いました。
色鉛筆で色味を調整する予定なので、水彩では少し色を強めに。


④水彩描き込み
大きな明暗を常に気にしながら細部を描き込んでいきます。
筆のタッチがそのまま彫刻や石造りの質感に繋がるように意識しました。


⑤水彩終わり
大聖堂とのバランスを見ながら広場の様子も描き込んでいきます。
最後に全体の強弱を整えて、ひとまず水彩はここで終了。


⑥色鉛筆描き始め
陰影がはっきりするよう色鉛筆でさらに描き込んでいきます。
色は水彩で使った色の補色を重ねるようにして、深みを出すことを意識。



⑦色鉛筆で色味調整
大聖堂はカラフルになりすぎないように、補色やグレーの色鉛筆で色味をさらに調整しました。
対して広場の馬車や人は少し色彩を強くするように、色を重ねていきます。



⑧完成
遠近感や全体の強弱を整えて完成です!

いかがだったでしょうか?
色鉛筆と透明水彩を併用する技法の参考になりましたら幸いです。

水彩の時に、色鉛筆で重ねる色を想像しながら描くと良いと思います。
また、水彩で描くと紙の上に薄い膜ができるので、色鉛筆の乗りが少し鈍くなります。
色鉛筆のみで描く場合よりか少し強めに描くと上手く描き込みができますので、意識してみて下さい。

また、おまけとしてもう少し細かく工程を刻んだコマ撮り動画も作りましたので、よろしければこちらも是非ご覧下さい。
※動画が表示されない場合はこちらからご覧下さい。
○コマ撮り制作過程【サンタ マリア デル フィオーレ大聖堂】