※ 第2弾はこちら
第3弾では、昨日に引き続き「小さなプリズム」シリーズの後半#6~#11までをご紹介します。
こちらは、前半の5作品とは違いモチーフは風景や静物など様々です。
他の絵画作品と同じように、自分が気になったものを選んでいます。
また、箱についてもモチーフに合わせた模様や色を自分でペイントしました。
今回、お店の方の提案でこのような箱型の作品を初めて制作したのですが、とてもいい機会を頂いたと思っています。
本来、虚像で実体を持たない絵画が(厳密にはパネルなどの支持体はありますが、普通絵を見る時にそこは意識されないので)箱に入る事で、立体作品とは言わないまでも、物としてそこに存在する事ができるというのは、何か今後の作品制作で違う展開ができそうな気がしています。
また中に鏡が入っているので、虚像としての絵が、さらに鏡に反転した虚像として写りこむという2重構造も面白いし、絵が中に入っている事を知っている人ならば、箱が閉まっている時でも頭の中で絵のイメージを思い浮かべるというのも、さらに構造の複雑さを増しているように感じます。
まだ、この事についてよく考察できていませんが「虚像としての絵とはなにか」の考えを深めて行く良いきっかけになったと思っています。
さて、少し話がそれてしまいましたが、下記に#6~#11の詳細をご紹介します。
小さなプリズム #6 生垣 箱、鏡、紙、ペン、色鉛筆 |
技法的には、葉の部分はペン、壁の部分は色鉛筆で描き分けています。
葉っぱに合わせて背景も薄く色鉛筆で塗っています。
箱のペイントも、なんとも言えない色が出せて気に入っています。
最近は色鉛筆以外の画材も色々試しながら模索しているので、その一環として水彩のみに挑戦してみました。
小さなプリズム #9 カルガモ 箱、鏡、紙、パステル、色鉛筆 |
画材模索の旅の一環でもあります。
細かい描写がどうしても出来なかったので、部分的に色鉛筆を使用しています。
小さなプリズム #10 鉄塔と千切れ雲 箱、鏡、紙、色鉛筆 |
#10ではちぎった紙に分割した画面でひとつの作品としています。
他の作品でも、紙がきれいな四角ではなく、ちぎって不定形にしているものがありますが、この作品ではさらに切り離しました。
画面の四角い形は結構強いと思っているので、モチーフによっては不定形の方が良いのではないかと今回試してみました。
また、人の視線も四角ではなく不定形に風景を切り取っているようにも思うので、画面の矩形についても今後模索して行きたいと考えています。
小さなプリズム #11 葉Ⅱ 箱、鏡、紙、色鉛筆 |
最後の#11では箱のサイズがその他の物と変わり、小さいサイズになっています。
また、箱の開閉も左右ではなく上下です。
お店のオリジナル商品としても色々な形を模索しているという事で、一番最後に渡された箱がこちらです。
箱が小さいとより宝物感が強くて、このタイプも素敵だなと思います。
いかがでしたでしょうか。
次回は個展タイトルにもなっている「葉っぱのプリズム」シリーズを紹介していきたいと思います。
展示は今週の日曜までです。
ご都合付く方は、是非実際に会場でご覧頂けましたら幸いです。