2022/01/18

「張り子の虎」のイラスト制作過程紹介

年始の干支イラスト「張り子の虎」の制作過程を紹介します。

画材は紙に色鉛筆です。
今回はイラスト部分のみ切り抜きで使う事が決まっているので、輪郭がややはっきり目になるように描写しました。
それでは、以下各工程の詳細です。

①下描き
構図やポーズなどを考えながら鉛筆で下描きします。
オーソドックスな張り子の虎を参考にしながら、首留めの部分を富士山にして「おめでたい感じ」を出しました。

②下描き2
形が決まったら、迷っていた線や何重かになっていた線を1本に整えます。
模様の色や陰は色鉛筆で描いていくため、鉛筆では塗りません。

③色鉛筆での下描き
鉛筆の線を消しながら色鉛筆の線に置き換えます。(画像が薄くて分かりづらくすみません…)
かなり面倒な作業ですがここでサボると後でもっと大変なので、丁寧に形を置き換えて行きます。
後々塗る色に合わせて、場所によって色を変えながら線を描いていきます。

④描写1
黒い部分や色の濃い部分から描き進めていきます。
黒い部分は黒色の色鉛筆を使わずに「青→オレンジ→緑→赤」と重ねて、画面上で黒い色を作っていきます。

⑤描写2
黒色や濃い部分がいったん一通り描けたので、黄色の部分を塗っていきます。

⑥描写3
黄色を塗り終え、足など白い部分の陰を付けました。
白の陰も灰色の色鉛筆を使わずに「水色→ピンク→薄い緑」と重ねて、画面上で灰色を作っていきます。
これでいったん全体に手が入ったので、テレピンを含ませたティッシュで画面を叩きます。
(テレピンで叩くと色の粒子が散って、色の重なりが複雑になるためです)

⑦描写4
黄色の部分の陰を描いていきます。
オレンジとその補色の青(薄い陰は水色)を重ねて、暗いオレンジを作っていきます。
白い部分との境目になっている所は、灰色の陰と自然に繋がるように意識します。

⑧全体に濃くする
ここまでしてきた事をもう一度繰り返して、全体に濃くしていきます。
1回目より細かい部分や薄い陰も描写するようにします。

⑨微調整して完成!
塗りが粗い所や色の重なりが不自然な所を調整して完成です!

いかがだったでしょうか?
色鉛筆での描き方の参考になりましたら幸いです。

色鉛筆で上手く描くコツは、色鉛筆を常に尖らせて描く事です。
集中して描いている時にいちいち削るのは面倒ですが、この手間を惜しむと結構絵の出来が変わってくるので、こまめに尖らせて描く事が習慣になってくると美しい色作りができると思います。

また、おまけとしてもう少し細かく工程を映したコマ撮り動画も作りましたので、よろしければこちらも是非ご覧下さい。

※動画が表示されない場合はお手数ですが、こちらからご覧下さい。