2024/02/27

二人展「盲点」のお知らせ

3月から1ヶ月ほど「Cafeちょくちょく」というお店で二人展を開催しますのでお知らせします。

まず、一緒に展示をする本田雄揮さんと会場のお店について紹介したいと思います。


〇本田雄揮さん
中学~予備校までの同級生で多摩美術大学を卒業し、油絵で作品制作を行っています。
2012年に横浜国立大学教育学部付属鎌倉小学校にて行われた「なんとかナーレ」で共に展示をした事があり、久しぶりに一緒に展示ができないかと誘った所、快諾してくれたので今回の二人展と相成りました。

〇Cafeちょくちょく
店長さんが小中の同級生で、前回の個展を観に来てくれて久しぶりに再会しました。
その際に、現在カフェを経営されているという事をお聞きし、その縁で今回展示をさせて頂ける運びとなりました。


上記の通り、本田雄揮さんもCafeちょくちょくさんも学生時代の同級生という縁で今回の展示が実現しました。
昔からの友人とこうして一緒に何かできるというのは、感慨深くもあり、とても嬉しいです。

展示内容については、本田さんは油絵の新作を出品予定で、私は色鉛筆で描き込んだものとドローイングの新作を数点出品する予定です。
会場がカフェなので、一般的なギャラリーと違ってお店の混雑具合によっては少し作品が鑑賞しづらい場面があるかも知れません。
恐れ入りますが、ご了承頂けたらと思います。

また、在廊も基本的にはしない予定ですが、もしかしたらお客さんの1人としてひっそりとテーブルにいる日があるかもです。

会場は、お料理もカフェメニューもとても美味しく居心地の良いお店ですし、桜並木で有名な麻生川という川沿いに位置しています。
展示が始まる頃はちょうど桜の季節になっているかと思いますので、お花見がてらお立ち寄り頂けましたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願い致します。


本田雄揮×横山大河二人展『盲点』
2024年3月19日(火)-4月20日(土)
11:00-17:00
定休日:日曜日、月曜日
*カフェでの展示になりますので、恐れ入りますが、ご来場の際は1オーダーをお願いいたします。

Cafeちょくちょく
〒215-0021
神奈川県川崎市麻生区上麻生5-1-13-2
044-400-1522

<展示ステートメント>

この度は「盲点―本田雄揮・横山大河二人展―」に足をお運びいただき、誠にありがとうございます。

本展示は、絵画としての強度を保ちつつも、その存在自体は、空間において100パーセントではない、「そこにあったような気がする」ともいうべき、「無意識化の認識」がなされることを目指しています。
2000年代も四半世紀を迎えようとしている今、ネットワーク社会の隆盛と共に、日常で得られる情報の量と質は、加速度的に変化を続けています。
視覚的な情報について挙げれば、VR(仮想現実)による視覚的疑似体験や、AI(人工知能)による自動画像生成など、技術の発展と共に表現されることの質向上は目を見張るものがあり、一方でSNS等では個人がテクノロジーを駆使し、気軽に画像や動画にて自己を表現することが可能となり、まさしく「視覚的情報表現の多岐多様化時代」となっています。
それに伴い、社会全体として視覚的情報の過多状態であることは目を背けることができず、日々の生活を営む中で我々は、情報の取捨選択、いうなれば「認識」し「消費」することのスピードと精度が半強制的に求められているのも、紛れもない事実です。
アンディ・ウォーホル(Andy Warhol,1928-1987)をはじめとするポップアートは、第二次世界大戦後の欧米諸国による大量生産、大量消費に違和感を覚え生まれた表現ですが、現代日本において同様にされているものは、物質もさることながら、加えて「情報」もあるのではないか、と感じます。言い換えれば、「情報を認識する」こと自体が「消費」されているのです。 
そのような情報化社会の渦中で、視覚芸術である絵画において「認識を消費する」こととは、どのような意味をもつのか、改めて考える必要性を感じました。

冒頭で申し上げました通り、「無意識化の認識」とは、鑑賞される皆様の焦点が、絵画自体から空間へと移り、お連れの方と会話を楽しみ、素敵なカフェメニューを味わう頃にはもうすでに認識されておらず、しかしそれは作品単体として消費された訳ではなく、複合的認識として新たにかたちを成すかのような状態を指しています。
視認する、という感覚にいま一度目を向け、そこに在り続けてはいるが、徐々に眼の奥の網膜に映らなくなるかのような、いわゆる「盲点」を認識するかのような感触をもたらすことが、この時代の新たな絵画の意味のひとつとして価値付けできるのではないかと考えています。
絵画の中で、消費されるものが、皆様の「盲点」になり得ることができれば幸いです。

最後になりましたが、本展示に際してご協力頂きました、「Cafe ちょくちょく」の店長であり、中学校時代の同級生でもある井上直さんに、心より御礼申しあげます。 ありがとういのっち。