2020/10/31

個展「葉っぱのプリズム」作品紹介④

  24日からスタートした個展「葉っぱのプリズム」の作品紹介の続きです。
 ※ 第1弾はこちら
 ※ 第2弾はこちら
 ※ 第3弾はこちら

第4弾では個展のタイトルにもなっている「葉っぱのプリズム」シリーズをご紹介したいと思います。

今回、はいいろオオカミ+花屋西別府商店での展示をするにあたって、2回目という事もあり、会場の雰囲気に合わせた新作の制作をしてきました。
なので、植物やお皿のモチーフを多めにしています。

しかし、お花をモチーフにはほとんど選びませんでした。
それには、お花は当然鑑賞されるものとして存在していて、それよりは葉っぱなど普段見落とされがちなものにフォーカスしたいという理由があります。

何気ない風景やものにハッとした瞬間を作品にしたり、逆に作品に描く事でその対象が特別に感じられるようにしたいと考えています。
そう言った意味もこめて「葉っぱのプリズム」というタイトルを付けました。

下記それぞれの作品の詳細です。


葉っぱのプリズム #1
パネルに紙、色鉛筆
#1では、奥の小さい葉っぱと手前の大きな葉っぱで描き方を変えています。
小さい葉っぱは模様のように平面的に描いて、キワの処理のみで重なりだけ少し出しています。
大きい葉っぱは写実的に描写しています。
また、全体的に補色をあまり使わず彩度を上げて描くようにしました。

葉っぱのプリズム #2
パネルに紙、色鉛筆
#2では、夕焼けの光の移り変わりを空だけでなく、手前の木の表現でも表してみました。
葉っぱの描写を、1枚1枚色相を変えてパズルのピースのようにパチパチっとした感じで塗り分けました。
葉っぱのプリズム #3
パネルに紙、色鉛筆
#3では、全体に光が充満しているような感じを表現しました。
いつも割と1枚の絵の中で色相を対比させるような描き方が多いのですが、この作品ではそれをせず、緑色のトーンや彩度の変化のみで柔らかい光が表現できるように心がけました。


いかがでしたでしょうか。

次回は個展最終日になりますので、少し違った作品紹介の仕方で締めくくりたいと思います。

また、ご都合が付く方には実際に会場で作品をご覧頂きたいです!
どうぞよろしくお願い致します。

2020/10/30

個展「葉っぱのプリズム」作品紹介③

 24日からスタートした個展「葉っぱのプリズム」の作品紹介の続きです。
 ※ 第1弾はこちら
 ※ 第2弾はこちら

第3弾では、昨日に引き続き「小さなプリズム」シリーズの後半#6~#11までをご紹介します。
こちらは、前半の5作品とは違いモチーフは風景や静物など様々です。
他の絵画作品と同じように、自分が気になったものを選んでいます。
また、箱についてもモチーフに合わせた模様や色を自分でペイントしました。

今回、お店の方の提案でこのような箱型の作品を初めて制作したのですが、とてもいい機会を頂いたと思っています。

本来、虚像で実体を持たない絵画が(厳密にはパネルなどの支持体はありますが、普通絵を見る時にそこは意識されないので)箱に入る事で、立体作品とは言わないまでも、物としてそこに存在する事ができるというのは、何か今後の作品制作で違う展開ができそうな気がしています。

また中に鏡が入っているので、虚像としての絵が、さらに鏡に反転した虚像として写りこむという2重構造も面白いし、絵が中に入っている事を知っている人ならば、箱が閉まっている時でも頭の中で絵のイメージを思い浮かべるというのも、さらに構造の複雑さを増しているように感じます。
まだ、この事についてよく考察できていませんが「虚像としての絵とはなにか」の考えを深めて行く良いきっかけになったと思っています。

さて、少し話がそれてしまいましたが、下記に#6~#11の詳細をご紹介します。

小さなプリズム #6 生垣
箱、鏡、紙、ペン、色鉛筆

散歩中に人の家の生垣観察をするのが好きなので、その中からひとつ選んで描いてみました。
技法的には、葉の部分はペン、壁の部分は色鉛筆で描き分けています。

小さなプリズム #7 葉
箱、鏡、紙、色鉛筆
展示期間中はちょうど紅葉の季節でもあり、お店のモチーフとも親和性があるので紅葉を描きました。
葉っぱに合わせて背景も薄く色鉛筆で塗っています。
箱のペイントも、なんとも言えない色が出せて気に入っています。

小さなプリズム #8 水辺のカフェ
箱、鏡、紙、透明水彩
#8では、透明水彩のみで描きました。
最近は色鉛筆以外の画材も色々試しながら模索しているので、その一環として水彩のみに挑戦してみました。
小さなプリズム #9 カルガモ
箱、鏡、紙、パステル、色鉛筆
好きな作家で坂口恭平さんという方がいるのですが、その方が最近描いているパステル画に影響を受けて、自分でも描いてみたいと思いパステルで制作しました。
画材模索の旅の一環でもあります。
細かい描写がどうしても出来なかったので、部分的に色鉛筆を使用しています。

小さなプリズム #10 鉄塔と千切れ雲
箱、鏡、紙、色鉛筆
#10ではちぎった紙に分割した画面でひとつの作品としています。
他の作品でも、紙がきれいな四角ではなく、ちぎって不定形にしているものがありますが、この作品ではさらに切り離しました。
画面の四角い形は結構強いと思っているので、モチーフによっては不定形の方が良いのではないかと今回試してみました。
また、人の視線も四角ではなく不定形に風景を切り取っているようにも思うので、画面の矩形についても今後模索して行きたいと考えています。

小さなプリズム #11 葉Ⅱ
箱、鏡、紙、色鉛筆
最後の#11では箱のサイズがその他の物と変わり、小さいサイズになっています。
また、箱の開閉も左右ではなく上下です。
お店のオリジナル商品としても色々な形を模索しているという事で、一番最後に渡された箱がこちらです。
箱が小さいとより宝物感が強くて、このタイプも素敵だなと思います。

いかがでしたでしょうか。
次回は個展タイトルにもなっている「葉っぱのプリズム」シリーズを紹介していきたいと思います。

展示は今週の日曜までです。
ご都合付く方は、是非実際に会場でご覧頂けましたら幸いです。

2020/10/29

個展「葉っぱのプリズム」作品紹介②

 24日からスタートした個展「葉っぱのプリズム」の作品紹介の続きです。
(※ 第1弾はこちらからご覧頂けます。)
第2弾では「小さなプリズム」シリーズの前半#1~#5までをご紹介します。
「小さなプリズム」は今回の個展で特別に制作した、会場である「はいいろオオカミ+花屋西別府商店」とのコラボレーション商品です。
元々、お店のオリジナル商品として「森の小さな鏡」という商品があり、箱の内部の左右にそれぞれ鏡と植物のオブジェクトが配置されています。

今回は、本来植物のオブジェクトが配されている所に、自分の絵を代わりに配置させて頂いています。
箱(はいいろオオカミ+花屋西別府商店が制作)+オブジェクト(横山大河が制作)というコラボになっています。

#1~#5の5作品は、お店の古道具の商品である「ゴルショーク」というロシアの古いミルク壺をモチーフとして描いています。
同じモチーフで画材を変えながら様々な描き方にしてみました。

以下詳細です。


小さなプリズム#1 ゴルショーク
箱、鏡、紙、ペン

#1では、ある程度ペンで描いた後、画面を紙やすりで削り、さらに描き込んでいます。
余白の所にもペンの削れた粉を擦りつけて、経年変化した風合いを出すようにしました。

小さなプリズム#2 ゴルショークⅡ
箱、鏡、紙、色鉛筆、鉛筆
#2では、全体を鉛筆で描いた後、ゴルショーク本体部分にだけ色鉛筆を重ねています。

小さなプリズム#3 ゴルショークⅢ
箱、鏡、紙、色鉛筆

#3は色鉛筆のみで描いています。
背景に合わせ、余白部分にも色鉛筆の粉が散ったような描写を入れています。

小さなプリズム#4 ゴルショークⅣ
箱、鏡、紙、透明水彩、色鉛筆

#4は、透明水彩の後に色鉛筆で描いています。
透明水彩ではなるべく水染みを作るように描いて、その間を埋めるように色鉛筆を重ねています。

小さなプリズム#5 ゴルショークとエケベリア
箱、鏡、紙、ペン、色鉛筆

#5のみ、ゴルショークにエケベリアというお花を組み合わせています。
全体をペンで描いた後、一度紙やすりで全体を削り、もう一度ペンで加筆しています。
さらに、お花の部分だけ白の色鉛筆を重ね描き起こして、壺との質感の違いを強調しました。

いかがでしたでしょうか。
画材は様々な物を使っていますが、全体的に綺麗に描き過ぎないように気を付けました。
余白もわざと少し汚したり、紙のカットもカッターで直線に切るのではなく手でちぎるなど、ゴルショークの経年変化の雰囲気に合うようにしてみました。

次回は小さなプリズムの後半#6~#11を紹介していきたいと思います。
また、ご都合付く方は、是非実際に会場でご覧頂けましたら幸いです。

2020/10/25

個展「葉っぱのプリズム」作品紹介①

24日からスタートした個展「葉っぱのプリズム」。土曜日曜と沢山のお客様にご覧頂きました。

観に来て下さった方ありがとうございます。

また、先のブログで予告していた通りweb上での作品紹介もしていきたいと思います。

今回は、その第1弾として「はいいろのは」シリーズをご紹介します。

「はいいろのは」はタイトルの通り、葉っぱをモチーフとしてモノクロを主体として描いた作品です。

しかし、ただのモノクロではなく、黒の中に色々な質の黒・グレートーンを模索したり、少しだけ色を入れる事でよりモノクロの色幅を広く見せられないかといった事に挑戦した作品になります。

はいいろのは #1
パネルに紙、ペン、色鉛筆
#1では、ある程度ペンで描いた後、画面を紙やすりで削る事で黒色を柔らかくできないか、と試してみたものです。
その後、ペンで加筆すると共に隙間を埋めるように色鉛筆の色を差し込んでいます。

はいいろのは #2
パネルに紙、ペン、ジェッソ、色鉛筆
#2では、ペンである程度描いた後、アクリル絵の具のジェッソを全体に薄く塗る事で黒色が柔らかくできないか試しています。
その後もう一度ペンで加筆し、背景と葉脈だけ銀の色鉛筆を重ねています。

はいいろのは #3
パネルに紙、ペン、ジェッソ、色鉛筆
#3では、雨に濡れたアスファルトの色を出すために、アスファルトの真っ黒の部分以外に銀の色鉛筆を重ね、鈍く光るようにしています。
葉っぱは、有彩色の色鉛筆を重ねグレーの色になるようにして、銀の色鉛筆とは違ったグレートーンを作るようにしています。
アスファルトの白い石は、部分的にジェッソで白く描き起こしています。

いかがでしたでしょうか。
引き続き、また後日他の作品も紹介していきたいと思います。

また、残りの会期も皆様のご来場お待ちしております!

2020/10/24

個展「葉っぱのプリズム」始まります

横山大河個展「葉っぱのプリズム」がいよいよ明日から始まります。

先ほど搬入を終え帰宅し、今、本ブログを書いています。

お花のある空間での展示の仕方や、初めてのコラボレーション作品への挑戦など色々と不安もありましたが(同時にワクワクもありました)、お店の方とも相談し、とても素敵な空間にできたのではないかと思います!
無事搬入を終えて今はホッとしています。

是非沢山の方にご覧頂けますと嬉しいです。
とはいえ、このご時世ですから、どうぞ無理のない範囲でお越し頂ければと思います。
本ブログやSNSでも同時に作品を紹介していく予定ですので、お越し頂くのが難しい方はそちらでご覧頂けましたら幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

2020/10/18

個展「葉っぱのプリズム」在廊スケジュール

個展開始までいよいよ一週間と迫ってきました。

ありがたいことにご来場予定の方から、在廊のお問い合わせがちらほらありましたので、会期中の在廊スケジュールをご案内します。

作家と話してみたいという方は是非在廊日にお越し下さい!

● 在廊スケジュール

10月24日(土):終日在廊
10月25日(日):15時頃から在廊
10月26日(月):× 在廊なし
10月27日(火):13時頃から在廊
10月28日(水):× 在廊なし
10月29日(木):終日在廊
10月30日(金):13時頃から18時まで在廊
10月31日(土):終日在廊
11月1日(日):13時頃から在廊

以上になります。

皆様のご来場、お待ちしております。
どうぞよろしくお願い致します。

また、在廊スケジュールのお知らせだけだと味気ないので、おまけに個展のDM掲載作品の制作過程も一緒にご紹介します。
コマ撮りの動画にしてみましたので、よろしければご覧下さい!


※スマートフォンやタブレットで動画が表示されない方は、お手数ですがこちらからご覧下さい。